働くママとして政治にチャレンジしたいと思った

 

―森澤さんはこれまで「働くママのキャリア」をテーマに、さまざまなキャリアを積まれてきたかと思うんですけれども、なぜ政治の世界に足を踏み入れようと思われたのでしょうか？

 

大学時代までさかのぼるんですけども、２０００年に太田房江さんが女性初の知事（注・大阪府知事）になられたのを報道で見まして、「はじめてだったんだ」とけっこう驚いたんですよ。それで、大学時代は女性の議員を増やしていこうという団体でボランティアをやっていたんですけれども、社会人になってからもずっと問題意識をもちながら働いておりました。

 

そんな中で、去年、小池さんが都知事になられて、女性の政治家を増やしたいという明確な意思を持たれてやっているのを感じまして、「やってみよう！」と思ったんです。子育て中の女性が政治にチャレンジするってなかなかできないですし、成功しても失敗しても、女性が政治に参加していく流れをどんどん作っていけたらな、と思っております。

 

 

 

出産・子育てしながら働くことの難しさ

 

 

―森澤さんは現在、女性のキャリア支援に携わるお仕事をされていますが、女性のキャリアについて、どのような問題意識をお持ちでしょうか？

 

私はこれまで報道記者ですとか、企業の広報担当として働いていたんですけれども、数年前、夫の海外留学・海外就職にともなって、いったんキャリアを中断して海外で子育てをしていたんですね。それで、帰国後、再就職しようと思ったんですけれども、「再就職ってまだまだ難しいなあ」と感じることも多くて。現在、女性のキャリア支援をしていくような会社にいるんですけれども、実際に女性が出産というライフイベントを経て働き続けるのは、なかなか難しいというのを肌で感じています。

 

 

というのは、フルタイムで働くのが難しいとなると、その段階でスタートラインにも立たせてもらえないことが多いんですね。まだまだ社会制度が、残業や長時間労働を前提としたフルタイムの働き方の上にしか成り立っていないんです。子育ても仕事も１００％はできないですし、ママ友と話していても、けっこうみんなギリギリのところで頑張っているなと感じることが多いですね。

 

２０１６年１２月、女性向けキャリアを考えるイベントの後、同僚と。

 

 

―子育てしながら働かれる中で、森澤さんご自身の工夫などがあれば教えてください。

 

現在は週５で働いていますが、もともとは週３で仕事に復帰して、時短勤務などをしながら、子育てと仕事を両立していました。仕事をしていく上でいつも気にしているのは、「明日子どもが熱を出すかもしれない」ということ。とにかく仕事を前倒しでやって、何かあったときにはすぐバトンタッチできるように、危機管理意識をもってやっています。そういった工夫は、どんなママもやっていることだとは思いますが。

 

 

 

いつでも挑戦せずにはいられない

 

―森澤さんは品川区とどういったつながりがあるのでしょうか？

 

北品川に住んでもうすぐ２年になるんですけれども、子どもは区立の幼稚園・保育園に通っています。子どもとあちこち公園に行くのも好きで、恐竜公園（子供の森公園）ですとか、ジャングルジム公園（御成橋公園）ですとか、五反田ふれあい水辺広場ですとか、いろんな公園に行っていますね。それから、近所のママ友を集めてヨガのサークルをやっているんですけれども、日曜日の朝一という、旦那さんに子どもを預けやすいタイミングで、２０人・３０集まって、月２回くらいのペースやっています。

 

 

―子育てされながらの政治活動、実際にやられてみてどうでしょうか？

 

そうですね……すごく楽しいんですけれども、実際にやってみるとかなり大変ですね。今の会社に入社したのは一昨年なんですけれども、３６歳でほぼはじめての法人営業の仕事に飛びこんでしまって、テレアポですとか、毎月数字を追うですとか、この年で職種を変える大変さを味わいました。今もその時と同じですね。えいっと飛び込んじゃって、大変なのがあとからわかる、みたいな（笑）わかっていても、またやっちゃう、みたいな（笑）まわりからは「飽きないなあ」「よくやるなあ」と思われているでしょうが、やってみたいと思ったことには挑戦せずにはいられないんです。

 

五反田ふれあい水辺公園にて。

 

 

 

プロフィール

森澤恭子（もりさわ・きょうこ）１９７８年１１月１６日、神奈川県茅ケ崎市生まれ。３８歳。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、日本テレビに入社。報道局記者を４年、その後、社会部、外報部、政治部にて取材や中継を経験。その後、トレンダーズ株式会社にてＰＲコンサルタントを勤めた後、森ビル株式会社広報室に勤務。夫の海外留学・勤務のため離職し、シンガポールにて子育て。帰国後、再就職し、株式会社みんなのウェディング広報として勤務。２０１５年から株式会社ＬｉＢ。２児の母。