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都政改革委員インタビューvol.18 鈴木くにかずさん(武蔵野市)

 

 

原点は、被災地ボランティアで感じた無力感

 

―鈴木さんはどういったきっかけで政治に携わりたいとお考えになったのでしょうか?

 

東日本大震災のときに、ボランティアで被災地に行ったんですけれども、圧倒的に人手が足りていないのを目の当たりにしたんですね。そこで、「時間があるけどお金がない」学生と「お金はあるけど時間がない」社会人をうまくマッチングできないだろうか、と考えまして、復興支援団体「UT-Aid」を設立しました。

 

それから2年間、東北、なかでも石巻市の雄勝町で、ボランティアという形で、仲間と一緒に瓦礫撤去やヘドロの除去作業をしてきました。そういったなかで、イヤなものもいっぱい見てしまったんですね。例えば、まだ復興が全く進んでいない地域に、5億円くらいの予算をかけて、コミュニティセンターが建つわけです。お金の出どころを見ていくと、利権が絡んでいで、予算は動かせそうもない。それだけのお金があれば、一体どれくらいの人を救えるんだろう、と。正直、無力感を感じましたね。

 

 

 

政治は人を救うためのものなのに、うまく機能しなければ、現場の人びとを苦しめてしまう。一方で、政治というものの大きさを痛感して、政治に携わっていきたいと考えるようになっていきました。そんななか、昨年、都議会のひどい状況が明らかになっていくにつれて、地域のために・現場のために働ける政治家になりたいと思ったんです。それで、都民ファーストの会から政治家を志しました。

 

 

 

政治家として若い世代に向き合いたい

 

―復興支援団体での活動の後、鈴木さんは「日本政治.com」という政治サイトを設立されていますね。「日本政治.com」は、若い世代を中心に累計150万人の有権者が利用したと聞いていますが、どういったきっかけで創設されたんでしょうか?

 

東北の復興支援ボランティアをきっかけに、今後、どうしたら若い世代に政治への興味を持ってもらえるか考えていったんです。私自身、若者の正直な気持ちとして、「選挙カーがうるさいな」、「ビラもよくわかんないな」という気持ちがあって。若者の投票率の低さが叫ばれていますけれども、街宣車やポスターだけでは若者には伝わらない。若者が投票に行かないのは、「伝え方」に問題があるんじゃないかと思ったんです。それで、ネットで政治にアプローチできる手段として、日本政治.comを作りました。

 

今回政治活動を始めるにあたっても、「都民アンケート」や「公約の達成度の公開」など、新しい仕組みをウェブサイトに入れています。これからも政治家として、新しいコミュニケーションに挑戦していきたいですね。

 

市民のみなさんとの意見交換会。

 

 

 

プロの棋士になる夢を挫折、目標を失った学生時代

 

―鈴木さんは、これまでさまざまなことに挑戦され、東北の復興支援や政治サイトの創業の実績から、米フォーブズ誌が選ぶ「アジアを代表する30歳以下の若者」に選ばれていますね。もしかして、完全無欠の人間なのでは……。

 

そんなことないですよ!私は大学を何度か留年・休学していますし、人には言えないダメなところも実はたくさんあります。そもそも、私はもともとはプロ棋士になりたかったんですよ。高校のときに将棋をはじめて、全国大会にも出ていましたし、東大に入ったのも東大将棋部に入りたかったからなんです。

 

でも、いざ将棋部に入ってみると、1か月も経たないうちに現実を突きつけられましたね。プロ棋士になる才能がないのを感じたっていうのもあるんですが、それ以上に大きかったのは、将棋部には昼夜問わず将棋にのめりこんで、すさまじい情熱をかけている人たちがゴロゴロいたんですよ。パッションの部分で負けてしまうと、もうどうしようもないですね。あっという間にポキッと折れて、プロ棋士になる夢を挫折してしまいました。もともと勉強もそれほど好きではなかったですし、自分が何のために生きていたのかさえ分からなくなってしまって、それから3年ほど、欝々とした学生生活を送りましたね。

 

 

自分一人の力じゃない、仲間と一緒に政治を変えていく

 

―鈴木さんの事務所には、ボランティアの方々がたくさん集まっていると聞いています。鈴木さんからは人を巻き込む力を感じるのですが、何か普段から心掛けていることはありますでしょうか?

 

これまでいろんな活動をしてくる中で、失敗もたくさんしてきたわけですけれども、自分のスキルを上げていく以上に、仲間との信頼関係って大事だなっていうことに気づいたんです。どんなにスキルがあって優秀な人間でも、やっぱりチームには勝てませんから。政治家って一人が全部を把握してやっていくのは不可能なんですよ。自分でやっていくだけじゃなくて、周りの人の声を聞いて、知恵を貸りて、力を貸してもらって、みんなで世の中を動かしていく。私はそんな政治家でありたいと思っているし、そのほうが楽しいと思っています。

 

ボランティアのみなさんと朝の駅立ち。

 

 

 

街宣車から。

 

 

 

プロフィール

鈴木くにかず(すずき・くにかず)1989年2月17日神奈川県川崎市生まれ。28歳。東京大学工学部在学中の2011年に東日本大震災の服興支援団体「UT-Aid」を設立し、2000名以上のボランティアを東北地域に派遣。2012年に国内有数の政治サイト「日本政治.com」の運営を開始し、2013年には東京大学総長大賞を受賞(UT-Aid団体受賞)。2016年には米フォーブズ誌のアジアを代表する若者「30 under 30 in Asia」に選出された。

 

 

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